多くの人々が手にすることのできる「版画」というメディアの特性を生かし、その普及とコレクターの育成を目ざして誕生した「現代版画センター」(1974-85)。同センターは10年あまりの活動の中で、およそ80人におよぶ美術家と協力して700点を超える作品を次々に世に送り出し、同時代の美術の一角を牽引したことで知られています。
センターで作品を発表した作家には、平面作品を中心に制作する美術家のみならず、彫刻家・工芸家・映像作家・建築家にいたるまで、さまざまなジャンルのアーティストが含まれていました。こうしたジャンルの垣根を越えた活動のあり方は、当時画期的なものとして大きな関心を集めました。
またセンターの活動は版画の制作にとどまりませんでした。数多くの美術家や批評家が寄稿した「現代版画センターニュース」や、主催の展覧会カタログを中心とする出版事業を活発に行い、美術界に大きな影響を与えたことが注目されます。
こうした活動は、版画表現の可能性を最大限に追い求めた時代の熱気を今に伝えます。本展覧会は、現代版画センターが制作した作品と資料から、その活動の軌跡をたどります。
会期
2018年1月16日 (火) ~ 3月25日 (日)
※会期中に一部展示替えがあります。
前期:1月16日 (火) 〜 2月18日 (日) 後期:2月20日 (火) 〜 3月25日 (日)
休館日
月曜日(2月12日は開館)
開館時間
10:00 ~ 17:30 (入場は17:00まで)
観覧料
一般1,000円 (800円)、大高生800円 (640円)
※( ) 内は団体20名以上の料金。
※中学生以下、障害者手帳等をご提示の方 (付き添いの方1名を含む) は無料です。
※併せてMOMASコレクション (1階展示室) もご覧いただけます。
主催
埼玉県立近代美術館
協力
JR東日本大宮支社、FM NACK5
出品リスト
2018版画の景色 出品リスト.pdf:出品作家はページ下部チラシ中面にも記載がございます。
関連イベント
トークイベント「ウォーホルの版画ができるまで――現代版画センターの軌跡」
およそ80人の作り手と協力して700点を超えるエディション作品を次々と世に送り出し、同時代の美術の一角を牽引した現代版画センター。その活動において欠かすことができない存在が、版画の「刷師」である。このイベントでは、ウォーホルをはじめ、多数の作家との共同作業を担った刷師を招き、現代版画センターのオリジナル・エディションについて語っていただきます(第2部)。また、第1部では、エディション作品の提案やオークションの開催など、時代に先駆ける活動を展開した同センターの活動を振り返ります。
日時:3月18日 (日) 14:30〜16:30 (14:00開場、2部制)
第1部 西岡 文彦 氏(伝統版画家 多摩美術大学教授)、聞き手:梅津元(当館学芸員)
第2部 石田 了一 氏(刷師 石田了一工房主催)、聞き手:西岡 文彦 氏
場所:2階講堂
定員:100名 (当日先着順)/費用:無料
担当学芸員によるギャラリー・トーク
本展覧会の担当学芸員が展覧会の見どころをご紹介します。
日時:1月27日 (土)、3月10日 (土) 各日とも15:00〜15:30
場所:2階展示室
費用:企画展観覧料が必要です。
【特別イベント】上映会 ジョナス・メカス監督作品「ウォールデン」
本展の出品者でもあるジョナス・メカスの代表作「ウォールデン」。自在のカメラワークと情感豊かな詩情に満ちた本作は、「日記映画」というジャンルを生み出した記念碑的作品であり、メカスが身を置いた1960年代のニューヨークのアートシーンのポートレートでもあります。
日時:3月2日 (金)、3日(土)、4日(日) 各 13:00〜16:00過ぎ (12:30開場)
※途中で休憩を挟むため、終了時間が前後します。
※各日、10:00から、1階総合案内・受付で入場整理券を配布します(1人あたり1枚まで)。
12:30から、整理券の番号順に会場にお入りいただきます。
場所:2階講堂
定員:100名 (当日先着順)、自由席/費用:無料
【スライドトーク】ご希望のグループにスライドを使って本展覧会の見どころをご案内します (予約制)
お問い合わせ・ご予約は教育・広報担当 (電話048-824-0110) まで。
プレス関係者の方へ
291115版画の景色 現代版画センターの軌跡_プレスリリース.pdf「版画の景色 現代版画センターの軌跡」チラシ中面.pdf